<2020年度 活動内容>

 新型肺炎拡大の影響から、地域活動がほとんど出来ていませんが、2019年7月に杉並区内で活動中の地域団体様と「杉並区地域ICT推進協議会」を立上げ、方南・和泉エリアを対象に、ICT関連の活動を進めています。

5/16(土) 第1回地域交流会(方南エリア特定)

 プログラミング学習の実施に向けて、地域の方々に、私共 協議会の活動への、ご理解と賛同を頂く事を目的として、 方南エリア在住の方々限定での「地域交流会」を企画し、 プログラミング学習に強い関心を持たれている、方南小学 校支援本部様と連携しながら、オンライン会議シ ステムを活用して実施させていただきました。

 交流会では、方南小学校のPTA・支援本部・保護者様にご参加いただき、プログラミング教育概要紹介、QA等の意見交換を行ないました。

6/27(土) 第2回地域交流会(方南エリア特定)

 第1回地域交流会に参加された方々に加えて、近隣の中学校関係者の方もご参加いただき、プログラミング教育概要紹介、 ITを使ったコミュニケーション事例の紹介、QA等の意見交換を行ないました。

9/20(日) Zoomに慣れてみよう!会

 第2回地域交流会に参加された地域の方から、青少年委員会関連の懇談会をオンラインで開催したい、とのご要望が、杉並区地域ICTクラブ推進協議会にあり、まずは地域の皆さんにオンライン会議に慣れてもらおうと、協議会メンバーの皆さんとイベントを企画、運営サポートをさせていただきました。当日は、20名程度の保護者の方や子ども達が参加され、最初は初めての画面越しでの意見交換に戸惑いがありましたが、次第に操作に慣れていかれる様子を確認する事が出来ました。

11/7(土) プログラミング学習講演会

講演会の第一部では、RTF教育ラボ代表の村上敬一氏から、プログラミング学習の概要についての話がありました。話を聞いていく中で意外だったのは、専門のスキルを修得させる事が目的ではなく、「物事を進める為には、どのような事の組み合わせが必要なのか」を論理的に思考する手法を学ぶ、という事でした。これは普段の何気ない生活の中でも、自分の子どもとの会話の中でも実践出来ます。当初、プログラマー育成が目的なのかな、と思っていた私からすると、とても新鮮な発見でした。

 

また、活動を起こす際に必要なのは、まず初めに、実現させたい事をイメージする事であり、そのイメージする力は、小学生の時期に身に付けさせるのが最適だそうです。初めに最終ゴールをイメージして、次に何をしていくのかを考えていく、という思考法は、企業での人材育成にも活用されている、バックキャスティングの思考法とも繋がるところがあり、子ども達にとっても、今後、社会で活躍していく為に、とても大切な考え方だと思いました。

第二部は、方南小学校の竪山浩人校長先生、支援本部の大嶋正人本部長、村上代表の三者による、パネルディスカッション形式での意見交換会でした。参加者の方々からも質問が上がり、小学校でのプログラミング学習の現状や、リテラシーやプライバシーといった課題への取組みなど、いろいろと興味深い話を聞く事が出来ました。

竪山校長先生からは、三宅島の三宅小学校(東京都のプログラミング指定校)校長だった時に実践されていたプログラミング学習について、具体的な事例のお話がありました。

強調されていたのは、子ども達が自由な発想で、自分達が地域に貢献出来るような、大人が驚く位に、様々なプログラミング作品を次々に生み出していった、という事でした。プログラミングの仕組みがわかってくると、普段は交流の無い、自分達より下の学年の子ども達とも、コミュニケーションしながら、自分の考えや思いを、どんどんプログラミングで表現していってしまう、そんな主体性や思考法が子ども達に備わっていく様子を、竪山先生は実際に現場で目撃されていたそうです。そのような相乗効果が、自分の子どもにも表れてくると、やはり親としては嬉しいです。方南小学校では、プログラミング学習を今後どのように取り入れていくか、早々に方針を打ち出される予定とのお話もあり、今後の展開がとても楽しみです。

また、大嶋本部長からは、「学校でやり切れない事を支援本部としては、来年度、電子工作教室などで、子ども達に場を提供していきたい。また方南小学校の特色を考えると、過去10年間行ってきた、むさし野の森の再生活動を、今後どのように教材として生かしていくか、子ども達や地域の方々と対話しながら進めていきたい。」とのコメントがありました。


11/21(土) 地域教育連絡協議会懇談事業


12/14(月) 杉並区内pta懇談会(オンライン形式)

 杉並区内の複数の中学校PTAが集う懇談会に、Zoomスタッフとして参加させていただきました。

 総勢30名をZoomのブレイクアウトセッション機能で6つのグループに分けた際には、中学生のお母さん方が、お子さんへの携帯やネットのITリテラシー教育をどうしていけば良いか、悩まれているお話を多数うかがう事が出来ました。

 今回参加された弁護士さんからは、誰にでも起こり得る具体的な事例と、法律面から見た見解を交えた講話もあり、大変好評でした。

 このような交流イベントを地道に重ねていけば、地域でのIT利活用も、広がっていくのではないかな、と感じました。

 今回のイベントで新たに繋がりが出来た皆さんとも、このような啓発活動を行なってみたいと思います。

 画像は、Zoomメインセッションでの懇談会の様子になります。


2021年 2月20日(土)、2月27日(土)、3月6日(土)

方南小学校支援本部様 土曜日学校「わくわく電子工作実習(お試し版)」

 杉並区地域ICT推進協議会の推進委員として、NPO法人わくわくネットさんから4名の方がサポーターとしてご参加いただき、電子工作実習(お試し版:需要調査が目的)を行なわせていただきました。

 最初の提案活動から既に1年が経過していましたが、皆さんのご理解ご協力をいただき、実現に漕ぎ着ける事ができました。

 実習は、小学生児童とその保護者様を1組として、定員を各6組としていましたが、低学年層からの反響が大きく、計48組の申込みがあり、緊急措置で、ラズベリーパイ1台に2台のブレッドボードを繋げて、じゃんけんゲーム・LEDランプ点灯・モーター回転盤の3つの実習としました。

実習の前半では、まず電子回路の組み立てから始まりました。無数の小さい穴が開いている、ブレッドボードという小さな回路板に、赤・青・黄3色のLEDランプやケーブル類を、テキストで指定されている位置に差し込んでいきます。LEDランプの足はとても細いので、力を入れると折れてしまいそうですが、親子一緒に慎重な手つきで問題なく作業を進めていました。

 

電子教材はみな小さい作りになっていて、大人から見ると、手でつまむのが難しい感じがしますが、意外にも、子ども達の小さな手は、他の電子部品やケーブルに邪魔されず、配線するのに、ちょうど良い大きさのようです。参加されていた保護者の方からは、このような配線を体験した事がないので、子ども達も楽しそうに作業していた、との声もありました。

 次に、ラズベリーパイの電源を入れて、簡単なプログラムで作られた「ジャンケンゲーム」を楽しみました。初めて、コンピューターとじゃんけんで対戦する子ども達もいて、コンピュータから発する「勝ったよ」の音声に、喜んでいました。その後に行なわれたLEDランプの点灯点滅では、実際にプログラムをいじって、LEDランプの点灯点滅の時間を、早めたり遅くしたり出来る事を体験していました。カラフルなランプの点灯点滅は、とても綺麗に感じました。

 

 実習の後半はまず初めに厚紙で模様が描かれた回転盤を作成しました。それを、ペットボトルの上に固定されているモーターに取り付けて、プログラムでモーターを動かします。回転盤が回り出すと子ども達の歓声が上がりました。その後は、プログラムに書かれてある数字を大きくしたり小さくして、回転盤の回転速度が速くなったり遅くなったり、回転盤の模様が変わっていくのを楽しんでいました。

前半の実習もそうでしたが、この実習では、プログラム内容の詳細な説明は極力省いており、とにかく動かしてみて、子ども達に楽しんでもらう事を目的としているので、ポイントとなるプログラムの簡単な説明以外には、特に専門的な講義はありませんでした。参加された保護者の皆さんからは、「回線を作り、プログラムを動かして、コードを変えて動きの変化を見る、という順を追って体験が出来て良かった。」「パソコンに触れる機会が無い中で、とても貴重な体験をさせてもらえた。」「プログラミングはわからなくても、コンピュータを使い、楽しい事が出来るということが分かったようで良かった。」との声があり、全体としては概ね好評だったそうです。

 実習アンケートの結果では、全体の6割が「非常に満足」、3割強が「満足」との評価をもらい、とても嬉しかったです。

 お子さんや保護者の方のニーズを把握出来ましたので、ラズベリーパイ電子工作を、地域交流活動に役立てていきたいと思います。


 左の写真は、電子工作実習の全行程が終了した後に、支援本部様に記念撮影していただいたものです。

 方南小学校支援本部様では、今年卒業する6年生の思い出にと、撮影用のカラフルな羽模様のボードを作成されていました。卒業生はこのボードの前に立ってもらい、撮影していただけるそうです。

 羽のカラフルな色は、まさに子供達の自由闊達な心を表しており、未来へのはばたきを祝福していますね。支援本部さんのとても暖かい思いやりの活動に、大変感銘しました。私も支援本部さんの子ども達への思いを見習っていきたいと思います。