「まっこみゅ」について

 このページでは、「まっこみゅ」とは何なのか、何故このような活動を進めているのか、について記載しました。まず「まっこみゅ」という名称ですが、これは、mutual aid community(互助社会)を略した造語になります。

 

<任意団体「まっこみゅ」概要>

・代表者氏名:桜井 俊郎(杉並区高井戸在住。都内IT企業勤務)

・活動目的:簡単に言えば「ご近所付き合いの復活」です。対象の世代を問わずに、地域交流と活性化に向けた、様々なイベントの企画と運営を進めています。

・活動履歴: 

 2019年度に方南銀座商店街組合様や町おこし隊様のご支援をいただき、方南エリア在住の皆様と任意団体「方南まっこみゅ実行委員会」を立上げる事が出来ました。地域の皆様のサポートに助けられ、地域活動を勉強させていただきました。2020年度に退会。

 2020年度からは「杉並区地域ICTクラブ推進協議会」推進委員として、オンライン会議等のイベント活動に従事し、2021年3月に任意団体「まっこみゅ ~mutual aid community~」を立上げ、現在に至ります。

 

 地域活動に携わるようになったのは、勤務先での研修がきっかけでした。お時間がありましたら、以下のいきさつもご覧頂けますと幸いです。

活動のきっかけ

 2017年の秋から始まった社員研修の中で、身近な課題を解決する仕組みを考えていく、というプログラムがありました。

 身近な課題、何があるかなあ・・・と考えているうちに、ふと、定年後の父親の姿が浮かんできました。今までソフトウェア会社を運営し、豊富なスキルがあるのに、定年後は外での交流が少なくて、勿体ないな、といつも感じていた事を思い出しました。そして「男性が気軽に地域活動に参加出来るような仕組みは作れないものか」という考えに至ったのが、今の活動に繋がるきっかけです。

 自分の思いと重なる社会的なテーマがあれば、それを深堀してみたいと思い、いろいろと調べていく中で、都市部における地域社会の課題に繋がっている事がわかってきました。


 昔は、三世代の大家族で生活したり、「ご近所付き合い」を通して「困った時はお互い様」と、地域住民の皆さんが一緒になって、近隣のご高齢の方や子育て世帯の家族をフォロー出来ていましたが、諸事情から核家族が進み、マンション住宅の増加や、携帯電話やパソコンのメールといった情報通信技術の発達、福祉ビジネス等の便利なサービスが浸透していく中で「ご近所付き合い」せずとも生活していける時代になりました。一見、暮らし易くなったとは言えますが、反面、一人ひとりの孤独化に繋がっているのではないでしょうか。

 また、共働き夫婦や独居高齢者の方々の増加など、生活様式が多様化してきている地域住民の要望に対して、今までの画一的な行政サービスでは細部まで行き届かないという点、そして今後の高齢者増加に伴い、行政側の福祉予算は不足気味となり、サービスが行き届かない部分は、地域住民がカバーしていく必要があるのではないかと予測しています。

 このような、都市部における地域社会の課題を、少しでも解決していく為に、沢山の方からの助言をいただき纏めたのが、「地域で助けて欲しい」と思っている人と、近隣に住んでいて「相談があれば助けてあげられる」という人をマッチングさせる仕組み、「地域互助社会エコシステム<まっこみゅ>」です。


まっこみゅ概要

「まっこみゅ」の大まかな流れは以下の通りです。

 まず初めに「助けて欲しい人」と「助けてあげられる人」のマッチングを「まっこみゅ」で行ない、サービス内容を決めます。

「助けて欲しい人」へのサービスを実施した後に、「助けて欲しい人」は地域の金融機関にサービス利用料を振り込み、金融機関から「まっこみゅ」を通して「助けてあがられる人」へ謝礼を地域通貨でお渡しします。

 地域通貨を受け取られた「助けてあげられる人」は、地元商店街限定での地域通貨を使って商品を購入、地元商店街は金融機関で地域通貨を現金に換えてもらい収入を得る、というサイクルを地域の中で回していき、地域住民間での交流と地域活性化を図る仕組みです。

 本システムの実証実験について、社内上層部に提案したところ、役員から「これは共通善だね」とのコメントがありました。(恥ずかしながらそこで初めて「共通善」という言葉を知りました。)

 役員審査の結果、通常勤務として2年間のトライアル期間をいただく事が出来、2018年度より杉並区方南エリアでの地域活動を開始しました。今まで全く地域活動に疎遠だった私にとっては、方南エリアの皆様には大変お世話になり、知己を得る事が出来た事は、今でもとても大切な財産となっています。


いま目指していること

 地域活動は地域の皆様のご理解をいただきながら、お蔭様で現在も継続出来ておりますが、残念ながら「まっこみゅ」の立上げには至っておりません。実証実験としてシステムを立ち上げる事は可能ですが、地域住民の皆さんのニーズに副えなければ、発展しないでしょうし、短期間での収益獲得が必然とされている民間企業が、地域活性化事業にあまり成功出来ていない理由も、ここにあるのではないかと思います。

 トライアル期間中に地域の方々と交流していく中で気づかされたのは、日本人の良い意味での特性だと思うのですが、近隣に住んでいても今まで面識の無い人に「助けて欲しい」とは、なかなか言い出し難いという点です。ご高齢の方々からすると、この点は特に強いお気持ちがあるのではないかと思います。「助けて欲しい」という声をどのように発掘していけば良いか、これが「まっこみゅ」立上げへの一つの課題と考えています。また、地域で互助活動を行なうにあたり、何かトラブルがあった場合の備えも含めて、地域の町内会様や地元住民の方々のご理解と支援が大変重要です。

 こういった一筋縄では解決出来ないような課題は、短兵急には解決しませんので、地域のいろんな世代の方々、様々な立場の方との交流を進めていけるように、地域交流を目的としたイベント活動の企画・運営を継続しているところです。

 ・・・地域活動の最終目標は「まっこみゅ」システムの立上げなのですが、私の性格的に、地域活動との相性が良すぎまして、地域の色んな方々との交流がとても面白くなってしまい、ついつい、初心を忘れてしまう今日この頃です(汗)・・・。

 今の活動が、将来の日本社会の地域活性化・進行する孤独化への抑制に少しでも役立つように、じっくりと進めていきたいと思います。